飲食店開業の初期費用は500万〜1,000万？
「飲食店を始めたいけれど、初期費用って実際いくらかかるの？」夜な夜な電卓を叩きながら不安で眠れなかったのは、かつての私自身です。東京都内で居酒屋を立ち上げたとき、見積書のゼロの多さにクラクラし、冷蔵庫の故障で泣かされた経験もありました。
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飲食店の初期費用平均は500万〜1,000万円
飲食店を開業する際の初期費用は、平均500万〜1,000万円といわれています。東京商工リサーチのデータや私自身の経験を踏まえると、この金額帯に収まるケースが多いのです。ただし、立地・業態・居抜きかスケルトンかで大きく変動します。私が2022年に開業した10坪の居酒屋では、総額で約980万円かかりました。
初期費用の内訳と計算式
内訳の目安
・物件取得費（保証金・礼金・仲介料）：100万〜500万円
・内装工事費：300万〜800万円（坪単価30〜50万円）
・厨房機器・設備：100万〜300万円
・家具・備品・消耗品：50万〜150万円
・運転資金（3〜6か月分）：100万〜300万円
計算式にすると、
物件取得費＋内装工事費＋厨房機器＋備品＋運転資金 ＝ 初期費用
私のケースでは、物件250万円＋内装400万円＋厨房180万円＋運転資金150万円＝合計980万円でした。
物件取得費の壁 保証金と地域差
例えば、新宿区で家賃30万円の物件を契約しようとしたとき、保証金は10か月分＝300万円を提示されました。さらに礼金・仲介料を加えると350万円以上に。地方都市では保証金が3〜5か月分で済むことも多く、地域差は大きいのです。立地の良さを優先するか、初期費用を抑えるか悩ましい選択となります。
内装費の現実
飲食店の雰囲気を決める内装は、坪単価30万〜50万円が相場です。20坪であれば600万〜1,000万円に達することもあります。私は「無垢材のカウンター」に憧れましたが、見積もりに愕然とし、最終的には素材のグレードを一部下げました。結果、客席の椅子は中古にしても、照明と動線だけにはしっかりお金をかけました。
また「中古で揃えれば安い」と考えて厨房機器を集めた時期があります。ところが、開業3か月で冷蔵庫が故障し、夏の繁忙期にビールが冷えない大惨事に。修理代と買い替えで新品より高くつきました。この経験から学んだのは、「耐久性が売上に直結する部分には投資すべき」ということです。
運転資金の確保
初期費用の中で見落とされがちなのが運転資金です。私の場合、毎月の人件費60万円＋仕入れ100万円でギリギリの運営。最低でも3か月分、理想は半年分の運転資金を準備しないと「黒字倒産」につながります。あなたは今、どれくらい確保できていますか？
居抜き物件を活用した場合の費用シミュレーション
「もっと安く始められないか？」と考える方には、居抜き物件の活用が有効です。例えば、前テナントが残した厨房機器やカウンターをそのまま使えるケースがあります。
実際に私の知人が2023年に大阪市でカフェを居抜きで開業したときの内訳は以下です。
居抜きの内訳
物件取得費：150万円（保証金＋仲介料）
内装リフォーム：80万円（壁紙・照明のみ変更）
厨房機器：前店舗のものを流用
家具・備品：30万円
運転資金：120万円
合計すると約380万円で開業が可能でした。スケルトンで始めれば倍以上かかるところを、居抜き活用で大幅に削減できた好例です。ただし「設備が古い」「レイアウトが合わない」といったリスクもあるため、物件選びの際には必ず専門家と一緒にチェックすることをおすすめします。
数字に怯えず、未来に投資を
飲食店開業に必要な初期費用の平均は500万〜1,000万円。ただし、居抜き物件を活用すれば300万台でも開業可能ですし、逆に都心スケルトンなら2,000万円超も珍しくありません。私の最大の教訓は「安易な節約は高くつく」ということ。冷蔵庫が壊れたあの夜の絶望感を、あなたには味わってほしくありません。
